890cm
8m90 ボブ・ビーモン 走り幅跳び8m90|890cmの、世界を驚かせたひと跳び
あの日から 58 年
1968年10月18日、メキシコシティー・オリンピックの男子走り幅跳び決勝で、アメリカのボブ・ビーモン選手が8m90(890cm)を跳びました。それまでの世界記録を55cmも上回る、陸上競技の歴史でも特別な一瞬です。この記録は、いまもオリンピックの大会記録として残っています。
この数字の物語
走り幅跳びの世界記録は、ふつう数センチずつ、少しずつ伸びていくものです。ところがこの日、ビーモン選手はたったひと跳びで、記録を半メートル以上も先へ進めてしまいました。8m90は、はじめて「28フィート」と「29フィート」の両方の壁を一度に越えた記録でもありました。
砂場に着地したとき、ビーモン選手自身は、どれほど遠くへ跳んだのかわかっていませんでした。チームメイトで、前の世界記録保持者のひとりでもあったラルフ・ボストン選手から「29フィートを超えた」と知らされると、ビーモン選手はあまりの感動にその場に崩れ落ち、仲間に支えられて立ち上がったと伝えられています。
メキシコシティーは標高2,000mを超える高地にあり、空気がうすいことに加え、この跳躍のときには追い風も吹いていました。それでも、このとき2位の選手の記録は8m19。同じ条件の中で、ビーモン選手のジャンプがどれほど飛び抜けていたかがわかります。その驚きから、英語には並外れた偉業を表す「ビーモネスク(Beamonesque)」という言葉まで生まれました。
数字が語ること
ブリタニカ百科事典とギネス世界記録によると、記録は8m90(29フィート2.5インチ)。それまでの世界記録8m35を55cm更新しました。
- 記録:8m90(890cm)/1968年10月18日、オリンピック大学スタジアム(メキシコシティー)
- それまでの世界記録:8m35(ラルフ・ボストン選手、ソ連のイゴール・テルオバネシアン選手)
- 世界記録だった期間:約23年(1991年の世界陸上東京大会で、アメリカのマイク・パウエル選手が8m95を跳ぶまで)
- オリンピック記録:いまも破られていない
ギネス世界記録によると、この記録が上回られたのは、パウエル選手の8m95の一度だけです。記録から58年たったいまも、オリンピックの舞台でこれより遠くへ跳んだ人はいません。
この数字に会いに行く
記録が生まれたオリンピック大学スタジアム(Estadio Olímpico Universitario)は、メキシコ国立自治大学(UNAM)の大学都市キャンパスの中にあり、いまもサッカーの試合などに使われています。このキャンパスは2007年、スタジアムをふくめてユネスコの世界遺産に登録されました。
ほんのひと跳びで常識を書きかえた890という数字は、「限界だと思われていた線は、越えられることがある」と、いまも子どもたちに語りかけています。
Never Forget Number では、この数字「890」を記録します。
数字の出典
この数字を、忘れないために。
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