1,228km/h
時速・約 スラストSSC 陸上最高速度の世界記録|1,228km/hで、車がはじめて音の速さを超えました
あの日から 29 年
1997年10月15日、アメリカ・ネバダ州のブラックロック砂漠で、イギリスのジェットカー「スラストSSC」が時速1,227.985km(約1,228km)を記録しました。車が公式の記録として、はじめて音の速さ(マッハ1)を超えた瞬間です。この記録は、いまも世界でいちばん速い車の記録として残っています。
この数字の物語
スラストSSCの「SSC」は、SuperSonic Car(超音速の車)の頭文字です。戦闘機にも使われたロールス・ロイス製のジェットエンジンを2基積み、タイヤではなくエンジンの噴射の力で前へ進みます。ハンドルを握ったのは、イギリス空軍の戦闘機パイロットだったアンディ・グリーンさんです。
舞台は、雨のほとんど降らない干上がった湖の底、ブラックロック砂漠。平らで広い大地に、記録を計るための1マイル(約1.6km)の区間が設けられました。陸上速度の記録は、この区間を往復2回走り、1時間以内に終えて、その平均で決まります。風や坂の有利・不利を打ち消すためのきまりです。
10月13日の走行でも音速を超えましたが、往復の間がわずかに1時間を過ぎ、記録としては認められませんでした。そして2日後の10月15日、2回の走行をきまりどおりに終え、平均で時速1,227.985kmを記録しました。走るたびに、砂漠には車が生んだ「ソニックブーム」(衝撃波の音)が響きました。
この日は、アメリカのチャック・イェーガーさんが飛行機ではじめて音速を超えた1947年10月14日から、ちょうど50年と1日後でした。空で破られた「音の壁」を、半世紀後に地上の車が越えたのです。
数字が語ること
ギネス世界記録によると、公式の記録は1マイルの区間で時速1,227.985km(時速763.035マイル)、マッハ1.020です。ここでは、わかりやすく「約1,228」としています。
- 記録:時速1,227.985km(763.035マイル)/マッハ1.020
- エンジン:ロールス・ロイス製ジェットエンジン2基(推力の合計 約222kN)
- それまでの記録:1983年に同じブラックロック砂漠で「スラスト2」が出した時速約1,020km
- この年の9月25日にも、スラストSSCは時速約1,149kmで記録を更新していた
音の速さは気温によって変わり、この日の砂漠ではおよそ時速1,200km前後でした。新幹線の最高速度(時速320km)のおよそ4倍、旅客機がふだん飛ぶ速さよりも速いスピードで、地面の上を走ったことになります。記録が生まれてから29年たちますが、これを上回った車はまだありません。
この数字に会いに行く
スラストSSCは、イギリス中部のコベントリー交通博物館(Coventry Transport Museum)に、先代の記録車「スラスト2」とならんで展示されています。博物館では、グリーンさんの記録走行を体験できる4Dシミュレーターも楽しめます。開館日や入館料は、博物館の公式サイトで確かめてください。
音の壁を地上で越えた1,228という数字は、「不可能に見えることも、知恵とチームの力で越えられる」ことを、いまも子どもたちに語りかけています。
Never Forget Number では、この数字「1,228」を記録します。
数字の出典
この数字を、忘れないために。
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