「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」
1977年3月27日17時6分(現地時間)、スペイン領カナリア諸島のテネリフェ島にあるテネリフェ空港(現:テネリフェ・ノルテ空港)の滑走路上で2機のボーイング747(ジャンボジェット)同士が衝突し、両機の乗客乗員644人のうち583人の尊い命が失われました。生存者は乗客54人と乗員7人でした。死者数においては史上最悪の航空事故で、死者数の多さなどから「テネリフェの悲劇」「テネリフェの惨事」(Tenerife Disaster)とも呼ばれています。
米国のボーイング747型機「PAA1736便」と、オランダのボーイング747型機「KLM4805便」との空港滑走路での正面衝突事故でした。
どちらも、当初の目的地は、「グラン・カナリア空港」でしたが、カナリア諸島分離独立派組織による爆弾テロ事件が発生し爆弾が仕掛けられているという予告電話があり、「グラン・カナリア空港」は、閉鎖したと告げられ、両機を含む約10機が、テネリフェ空港にダイバート(目的地外の緊急着陸)するように指示されました。テネリフェ空港は、滑走路が2本の小さな空港でした。両機とも、着陸時は問題ありませんでした。爆弾テロ予告が虚偽であったことがわかり、順に離陸が開始され、両機とも離陸を行うことにしました。管制塔とのやり取りで、「KLM4805便」は、離陸OKとの許可がでたことで離陸を開始したタイミングでした。「PAA1736便」は、「KLM4805便」は、既に離陸したとのことで、航空機のいないはずの滑走路を離陸のためタキシング(航空機が地上を移動すること)を開始しましたが、双方の正面に航空機が現れました。互いに、正面衝突をさけるため、「PAA1736便」は、前方左出口へ退避し、「KLM4805便」は、滑走中であったため急離陸を試みようとさらに加速しましたが、「PAA1736便」の上に「KLM4805便」が覆いかぶさるような形で正面衝突してしまいました。
そもそも、虚偽の爆弾テロ事件の通報があったこと、当初目的地ではなく、小さな空港へ多数の航空機が指示されたこと。その後も、当時は、悪天候のために、航空管制官と2機のボーイングのパイロットとの無線通信には雑音が多かったことや、視界も殆どゼロでした。
本当に、二度と起こってほしくない、起こしてはならない出来事となりました。犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、御遺族に対し謹んでお悔やみ申し上げます。
追悼の意を込めて、「決して忘れてはいけないこと」、「決して忘れてはいけない事故」として、 Never Forget Number 583 を掲載致します。
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