349 ニューデリー空中衝突事故|New Delhi, India

「ニューデリー空中衝突事故」

1996年11月12日18時40分に、インドのニューデリー上空で、サウジアラビア航空763便「ボーイング747-100B」とカザフスタン航空1907便「イリューシンIl-76貨物機」が、空中衝突事故(航空事故)(別名:チャルキ・ダドリ空中衝突事故)を起こし、両機の乗員乗客合わせた全乗客 349人の尊い命が失われました。民間航空機による空中衝突事故としては世界最悪の事故となり、航空機事故ではテネリフェ空港ジャンボ機衝突事故と日本航空123便墜落事故に続いて、世界3番目の死者数を出した事故となりました。

現地時間1996年11月12日18時32分、サウジアラビア航空「763便」(ボーイング747-100B、機体記号:HZ-AIH、1982年製造。インド・ニューデリー発サウジアラビア王国・ダーラン経由同国ジッダ行き)は、ニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港を離陸しました。「763便」には乗員23名と乗客289名の合計312名が搭乗していました。

同じ頃、カザフスタン航空「1907便」(イリューシンIl-76貨物機、機体記号:UN-76435、1992年製造。カザフスタン共和国・シムケント発インド・ニューデリー行き)は、インディラ・ガンディー国際空港への着陸に向けて763便と同じ空域を降下中であった。1907便には乗員10名と乗客27名の合計37名が搭乗していました。「763便」と「1907便」の乗客合計が、349人となります。

離陸したばかりの「763便」は、18時35分(事故の5分前)に管制塔より、高度14,000フィート (4,300 m)への上昇を指示されました。「763便」は指示に従い、高度14,000フィート (4,300 m)を維持して飛行していました。

一方、着陸に向けて飛行中の「1907便」は、高度23,000フィート(7,000 m)を飛行していることをインディラ・ガンディー国際空港管制塔に通報しました。管制官は、高度15,000フィート (4,600 m)への降下し、維持するよう指示しました。機長は下降を開始しましたが、高度15,000フィート (4,600 m)で維持することを副操縦士に伝えていませんでした。高度15,000フィート (4,600 m)からも、さらに少しづつ高度が下がっていきました。

管制官は「1907便」に対して、正面から「763便」飛行していることを知らせ、同機を視認したら管制官に通報するように指示しました。しかし、「1907便」の通信士は、英語を苦手な機長、副操縦士、航空機関士、航法士らに対して、この管制官からの「763便」が正面にからくること、視認したら連絡することを、通訳をしていませんでした。

このため「1907便」の機長と副操縦士が「763便」を視認したのは、衝突の3秒前で、このとき、「1907便」は、高度14,090フィート (4,290 m)まで下降しいました。高度14,000フィート (4,300 m)を維持して飛行していた「763便」が目の前に迫り、すぐに上昇のためエンジンスロットルを全開にしましたが、遅すぎ、「1907便」と「763便」の両機は空中で正面衝突しました。また、両便とも空中衝突防止装置(TCAS)を装備していませんでした。

1907便の左翼は763便の第1・第2エンジンおよび胴体後部に衝突した。763便は破壊されたエンジンと胴体が発火し、空中分解して墜落しました。1907便は左翼を失い、衝突後約10秒間上昇を続け、高度15,700フィート (4,800 m)に達したところで失速して墜落しました。両機共に生存者はいませんでした。

本当に、情報伝達が重要であることや、危険予知の大切さのわかる事故となりました。二度と起こってほしくない、起こしてはならない出来事となりました。犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、御遺族に対し謹んでお悔やみ申し上げます。追悼の意を込めて、「決して忘れてはいけないこと」、「決して忘れてはいけない事故」として、 Never Forget Number 349 を掲載致します。

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NeverForgetNumber.com(NFN) 監修のJack Silverです。NFNでは、世界で起こる様々な紛争、事件、災害、事故、歴史的な記録や事象、文化、芸術、伝統について、1つの「数字」をキーワードに掲載しています。「決して忘れられないこと」「決して忘れてはいけないこと」「子供たちに必ず伝えておきたいこと」を掲載しています。是非ご家族でご覧ください。また、「あなたの国で起こっていること」「あなたの周りで起こっていること」「世界中の人に知っておいてほしいこと」がございましたら、是非、教えてください。NFN.Inc Jack Silver

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